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歴史を学び、明日を決める(まずは中国を理解する必要がある)

アメリカに仕事で1週間行ってきた。何冊かお供した本を読み自分の視界が広がった。それは歴史から本質を学び、明日を決める指針とする大切さだ。

  1. 「日本人へ リーダー篇 」(文春新書)  塩野 七生 (著) 
  2. 「日本人へ 国家と歴史篇」 (文春新書)  塩野 七生 (著)
  3.  「2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」」米国国家情報会議 (編集), 谷町 真珠 (翻訳) 
  4. 「嘘だらけの日中近現代史」 (扶桑社新書)  倉山 満 (著)





簡単なサマリは、次のようになる。
No.1、2は2003年から2010年に文藝春秋に発表された塩野七生氏のエッセイを時系列に纏められたものだ。成田空港の本屋に平積みされた新書の中から手にしたものだ。ずいぶん前にローマ人の物語を全巻読んでいたから知識の下敷きはあった。この本は日本の経済が衰弱し、外交でも存在感の無い中で、今後どう舵取りをして行くべきかをローマ帝国の歴史を紐解きながらその時々の時事問題をとりあげ氏の考えを示している。

No.3の「2030年 世界はこう変わる」では権力・人口・食料・水・エネルギーのメガトレンドと、経済・統治力・紛争・新技術の各要素のゲームチェンジャーを俯瞰し、それらの組み合わせからあり得る2030年の世界をシナリオベースで予測がなされる。

No.4の「嘘だらけの日中近現代史」は中国の歴史を極めて単純化したパターンで説明し、日本人の中国の甘い見方を断罪する。そのパターンとは面白く、

1.新王朝、成立 → 2.功臣の粛清 → 3.対外侵略戦争 → 4.漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成 → 5.閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁 → 6.秘密結社の乱立と農民反乱の全国化 → 7.地方軍閥の中央侵入 →8.1へ戻る

なのだそうだ。現在の中国共産党もこのパターンに従うとする。

それぞれに通底する姿勢は今を、これからをどうするのかを一人一人が考え行動することにあると著者らは説く。

個人にとっても国家にとっても、最大の関心事は、今をどう生きるのかにつきる。

そのために、将来を予想し、少しでも苦難をさけ、他者(他国)より上がり、影響力を増大させる方向へと進むのか、それを意識、無意識に行う行動が今を生きる規範になっているのだし、その積み重ねが人生や歴史になって行く。そのため、将来を読む力(誰がどう動くのか)が絶対的に大切になる。それは様々に起こる今日の出来事がなぜ起こっているのか本質をあぶり出し、流れの中でとらえ直すことができる必要がある。

2030年の経済のエンジンは中国とインドだ。

60年代生まれの私の世代の20世紀は、欧米だけを見ていればそれで済んでいた。多極化し、覇権国家アメリカの影響力低下の中で、今後何を考えなければならないのか。それは明らかである。アジアの行方であり、特に中国とインドがどう行動するのか、させるのかである。その中でも隣国中国をもっと冷徹に分析が必要と感想を持った。

ギリシャ・ローマを起源とする欧米の文明を取り入れて発展した歴史を持つ我が国の立ち位置は、あくまでも議会制民主主義であり、科学的アプローチであり、法治であり、人権重視である。

1949年10月に建国された中華人民共和国はまだ64年しか歴史が無いが、その歴史の浅い国家がユーラシア大陸の東で3000年繰り広げられてきた歴代王朝の攻防の思考と行動のパターンを引き継ぐのであれば、20世紀型の先進国のそれと相当異なる。

現中国共産党がとる国民を束ねる方法は、法治でも、選挙による議会制民主主義でもない。ましてや人権重視では無い。こうした国をより理解し、どう考えどう行動するのかが日本と世界、そして私の生活に大きな影響を与えるのは間違いない。この隣国の理解を深める必要性をこの一週間で学んだ。

時間に余裕ができるお盆の週間。良書に巡り会い隣国をより勉強しようと思う。



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