スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

10月 18, 2009の投稿を表示しています

足し算な人、掛算な人

エンジニアを今の生業にしているが、振り返るにエンジニアにも足し算な人と掛算な人がいるなと、風呂に入りながらつらつらと考えた。 足し算は1+1=2であり、1kgの砂糖と1kgの塩を混ぜたら2kgとできるが、1秒と1gは足せない。 でも、掛算は違う。1×1=1だけど、1m×1m=1平方メータ(m^2)と違う物理量になる。移動距離(m)を移動時間の逆数(1/s)で掛ければ、速度(m/s)になる。もう一度移動時間の逆数で掛ければ加速度(m/s^2)になる。そしてこれに重さ(kg)を掛ければ力(N=kgm/s^2)になる。 これをアナロジーに人に当てはめてみたのが先の風呂での思いつき。 ”足し算な人”は頑固。何処まで行っても、同じ直線上にあって、それでいて細かいことを言うと非常に奥行きがある。1=0.9999999...の議論のように、深く深く考えることができる。 それに対して”掛算な人”は、発想がぶっ飛んでいる。別々のものを組み合わせて全く別のものを思考できる。コロンブスのタマゴ的な発想ができる人だ。 どちらが偉いとか言う次元の話でなく、そういった傾向を持つ人が確かにいるなと思い至ったのだ。 エンジニアの最大の幸せは初めて実用化したことにあり、その発想の根底には掛算にある。携帯電話にカメラを付けたら写メールのコミュニケーションが生まれたとか、クロック波形にジッタをわざと持たせたら電磁放射ノイズが下がったとか、その例は枚挙にいとまがない。 それに比べて、足し算な人は科学や数学、哲学の分野に多いと思う。 何で光の速度は観測系によらずに一定なのだろうかのアインシュタインや、古代漢字の起源と万葉集の関係を追い求めた白川静とか、線の上をあっちに行ったりこっちに来たり、あっちから眺めたり、こっちから眺めたり、そのまなざしが非常に鋭くて、深い洞察が得られるまでそこを離れないぞみたいな感じがする。 エンジニアには掛算的な発想が必要で、時間がかかる足し算的な敬遠される。もしかして他の広告の人とか、新ビジネスを考えている人は掛算な人かもしれない。というより、世の中全体が、一所で一生懸命考え続けることを良しとしなくなったのかもしれない。掛算的思考を大急ぎで組み合わせて、何かおもしろいものは無いのかと、ビジネスになることは無いのかと時間あたりの最大効率化を追い

「高速道路のあり方」の記事に思う

本日(2009.10.18)の毎日新聞朝刊に坂村健氏「 時代の風 」 「高速道路のあり方」 に賛成である。 趣旨はETCの柔軟な課金機能を積極的に利用して、渋滞解消と環境保護を両立させよということである。例えば、渋滞が続けば課金をどんどん高くして、すいているときは無料とする案を示している。これを動的無料化というそうだ。 もっと考えを進めて、ETCは一台に一セットが基本なのであり、車種情報も入っているのだから、燃費情報を加味した道路課金をすれば良いと思うのだ。EVはどこでもタダ、HEV/PHEVは半額、燃費グレード が付けられたガソリンエンジン車は2倍とかね。 ここの視点が坂本氏がなかったのが残念。車の環境対応を本質的に進める、特に、低コスト電気自動車の開発を一気に進めてここで産業を再興するというシナリオを描いてほしいものだ。

今年最後?の真鶴シュノーケリング

台風18号が去った週末に真鶴に行ってシュノーケリングして来た。 死滅回遊魚を見るためだけど、いやー、きれいな海だった。透明度が違う。いつもの2倍の10mくらい先は見える。お目当てのチョウチョウウオは並チョウと呼ばれるチョウチョウウオ(12cmサイズ)とアケボノチョウチョウウオ(500玉サイズ)が見えた。オヤビッチャやソラスズメダイなどの常連とも遊んで来た。 琴ヶ浜は西側がテトラで囲まれているので少しだけ海水温が暖かで薄手のウエットスーツしか持ってない身にはうれしい。でも、海パンだけでシュノーケリングしている人もいるんだな。スゲー。 潜るといつもパチパチとか、ピチピチとかの表現の音が聞こえるんだが、これって、底の岩が転がっている音かと思っていた。どうも底生動物の出す音らしい。 近所の図書館で見つけた 竹村 暘著 「水生動物の音の世界」 この本によるとテッポウエビの仲間が出すテンプラノイズ(flying noise)らしい。これらのエビは「片側に巨大はハサミを持っており、その稼働指及び不動指の内側には各々プリンガーとソケットと呼ばれる突起と受け口を持っている。発音時にはその稼働指をほぼ直角になるまでいっぱいに開く。この時稼動指はいったん関節のストッパー機構により停止させられるが、その後稼動指にハサミを閉じる力が加わった瞬間ストッパー機構から解き放たれて、稼働師の内側に附いたプランガーが不動指のソケットに激しく打ち付けられ強力な衝撃音が発生する。」のだそうだ。 福井やその他の海に潜ったときにその音が気になったことを思い出した。 ネットで調べてみると「 ウニが出している音」 と言うのもあった。これはサンゴ礁での日に海の騒音らしい。でもテンプラノイズもあまり知られていないらしい。webの数も少ないです。 著者は40年海の音を研究されて来た方なので間違いは無いでしょう。この本には色々気がつかされました。海や川では視界が陸上ほど利かないこと、水中の音速が空気(330m/s)の4.5倍も速い1500m/sであること、そのため、水生動物は聴覚を頼りにしているはずだがまだ多くのことがわかっていないこと。特に魚では、圧力感知としての内耳と、速度感知の側線があり、内耳では鰾(うきぶくろ)が共鳴器になって音が増幅されている。また、側線も圧力差か