橋爪大三郎x大澤真幸著で新書大賞2012第一位の「ふしぎなキリスト教」を読んだ。 海外に行く時にはその土地の本を一冊持って行きそれを読みながらその土地を感じる様にしている。今回は米国であったこともあり、成田の本屋でたまたま目についた本書を手に取って読んでみた。帯に「起源からイエスの謎、近代社会への影響まで全ての疑問に答える最強の入門書」とあったのでどれどれと手に取った次第。知らない事も多く、面白かったが、ん?と思うこともあった。その読後感を述べてみたい。 本書は、 キリスト教についてその成立過程を丁寧に追って、キリスト教が現代に続く西洋文明と哲学、文化、科学などへの影響がいかに大きくその基礎となったかを二人の対話形式で明らかにして行く本である。 要約すれば、 古代ユダヤ民族はそれは弱い民族で「なぜ我々は弱いのか」の理由を神が与える試練に求めた。ユダヤの神、ヤハウェは最初、軍神であった。それが純化され絶対唯一神と高められて行く。神は絶対であり世界を創造でき、破壊もできる。ノアの方舟で選択的に優生個体を選び避難させ、その他の生物を絶滅させることができた。そして、神(GOD)は人の言葉をしゃべる。 その言葉を聴いた選ばれし預言者が人々に神の言葉を伝える。その中でナザレ人のイエスが預言者の一派として現れ、ユダヤ教の宗教批判、宗教改革を行い守旧派の反発を受け十字架で殺される。 その後、こてこてのユダヤ教徒であったパウロが、イエスの存在を自分なりに解釈しようとしたら180度姿勢を変えざるを得ず、イエスは神の子として現れたと主張し、そのイエスの言葉を福音書としてまとめキリスト教ができていく。イエスは人でありながら神の声をしゃべり、神の子として人の罪 を背負って冤罪のまま死罪になる。ここに不思議で分からないキリスト教が生まれる。著者が強調するのは、西洋はイエスの存在をどう考えたらいいのかを徹底的に理性で考え、三位一体やらなんやらを解釈をして文明を育んで行った歴史を持つという。この解釈する態度が哲学を生みだし、神の意志を探り出すため自然科学が発達する。 著者のキリスト教 の成り立ちを 中立的にどうしてそうなったのかを議論する態度は非常に好感が持てる。いじめられっ子のユダヤの民が民族の一体性を保つためには生み出した宗教(ユダヤ教)と同根のキリスト...
50歳になって人生の意味を見つめ直すことが多くなりました。フルマラソンを完走して得た結論が「自分の人生を楽しくするのは自分」という当たり前のことでした。決意し実践し感じる事、楽しくできるんだと。55歳目前で楽しいばかりでなく、人生を豊かにすることも大切です。勉強し、考え、やってみて、感じる。それぞれのプロセスを大切にしたいと思います。 鳥を見る事を通して自然と人の関わりを考えるのが好きです。 東日本での大地震と原発事故をこの国と市民が克服し,より住みやすい社会と地域を作れるよう願っています。 Ph.D(工学)@woodie3wopper