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3月 3, 2013の投稿を表示しています

新聞を批判的に読むために役立つ視点

読書感想:「本当のこと」を伝えない日本の新聞、 マーティン・ファクラー著 週刊ポスト(2013年2月15日号)の「世界から無視される安倍政権」でオヤと思って購入した書籍。 カレル・ヴァン・ウォルフレン( オランダのジャーナリスト )とマーティン・ファクラー(NYタイムス 東京支局長 )との対談の記事の中でファクラー氏は 「日本のメディアの政府批判は官僚の代弁」との発言をしていた部分だ。 この「「本当のこと」を伝えない日本の新聞」で著者の ファクラー氏は氏の12年に及ぶ日本での経験をもとに、 日本の新聞の問題点の本質が権力に寄り添った姿勢にあり、本当のことを伝えない点にあるとする。その象徴が記者クラブにあるとしている。 大手新聞をはじめ 中央メディアは、 記者クラブで発表される官僚や企業のニュースリリースを垂れ流しているだけで、それでは 日本のメディアは官僚制度の番犬、日本経済新聞は企業広告掲示板といわれてもしようがないと悲しみを持って語る。 例外はあるものの日本の新聞の問題点を実例を挙げて以下のように指摘している(()は実例)。 マクロ感を欠いた記事(死者・不明者が2万人近くでた東日本大震災の報道で死者数の一桁の数字にこだわる記者の姿勢) 当局の情報隠しを追求しない(福島原発事故では住民避難に不可欠だったSPEEDIのデータ公開を求めなかった) 不可解な当局プレスリリースの垂れ流し(政権交代直前の不自然な西松建設事件報道、 オリンパス事件の初期の企業寄りの報道) 既得権益団体の記者クラブ(亀井静香大臣の記者会見オープン化に猛反発した記者クラブ、フリーランス記者や外国記者を排除) 中央メディアの記者のサラリーマン化と上から目線(一流大学出のみの採用と官尊民卑の感覚。自分で調べ、自分で考え、社会不正を暴く記事を書かない) 良い記事とは何かを履き違えている( 日本での記事の価値が他社より数日早いニュースリリースを得ることに成り下がっている、日本新聞協会賞を取ったスクープ記事、例えば1999年の日本興業銀行と第一勧業銀行、富士銀行が共同持ち株会社を設立した日本経済新聞の記事など) 日本のメディアは政治家の批判はしても官僚の批判はできない( 当局や大企業と近い距離で情報入手を第一に優先させるため官僚批判、大