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見慣れた景色も、一つの疑問で新たな光景となる。 冬の里山はなぜ茶と緑か?



いつもの様に週末に仲間とそして今日一人で近所の里山を歩いた。
丹沢を望む里山(平塚市)

昨日、歩きながらふと思った。なぜこの森の冬は緑と茶色しか無いのか。春や夏、秋には虫の活動や鳥の活動に併せて様々な色の花が咲き、実が色付く。それは植物自身の繁殖戦略によると説明されているし、そうなのだろう思う。


では、その花々や種子では無い、幹や葉はどうして茶や緑しか無いのだろうか?

緑はそのエネルギー生成の機能ゆえ、葉緑体の色が主成分なのであろう。学生時代に調べた記憶に頼ると太陽スペクトルは赤色が最大強度を持つ。そのため、補色の緑が吸収を多いに高めているという説明だったと思う(webでそのうち調べてみよう)。では幹ではどうか。






歩きながら落葉樹や広葉樹の幹を眺めてみる。白っぽい灰色から濃い茶色まで、まー様々である。でもである。ピンクや青、黄色や赤、白に黒はもちろん見られない。なぜ、花々は色とりどりなのに幹はそうではないのだろうか。






植物全般の持つグランドデザインによるものだろうかとまず考えた。葉が緑なように、幹は茶系と種を超えて植物の基本的特徴として不変要素として進化したのだろうか。あるいはたまたまか。

木の幹にも色の差はある.でも大括りでは茶系だ
虫眼鏡を持って幹を観察すると種によって色々なパッチワークが見受けられる。苔だったりカビだったりあるいは蔓性植物の根っこだっり、キノコだったり様々な生態系が樹木の表面にも彩りをもたらしているのがわかる。そうか、必ずしも植物の本来の幹の色という訳でもないらしい。でも、それらは緑やオレンジが混じりながら遠目には茶系の地味な色であるのは変わらない。

足下に目をやる。そこには落ち葉と土が見える。土の色は茶系であり、緑だったはずの葉っぱも生気無く茶色を基調とした色で風にカサコソ動いている。

そうか、緑の葉も茶系になるのか。とすると生体のエネルギーと水やその他の物質で葉緑体は緑に保たれていたに過ぎず、それらが絶たれると酸化や乾燥、腐食で変質し茶系に変色する。それは見慣れたはずの光景ではあった。でも、改めて考えると何がそうさせているのかは知らないでいたことに気がつく。
木を分解するキノコ.このキノコも茶系
では、土はなぜ茶色なのだろう。河原で見る石ころを思い出す。花崗岩や石灰岩、玄武岩など土の元になっているはずの石は花のバラエティーはかなわないもののそこそこに色彩はありそうだ。ではなぜこの土塊は茶系なのか?

今歩いている里山は落ち葉が舞い降り、それをミミズやトビムシ、ダニ、菌類・細菌などの分解者が二酸化炭素への還元と、無機物への変換を担っている。土はその幾つもの過程の、その幾つもの段階が折り合った状態でそれが今の姿なのだろう。

木々の幹がなぜ茶系なのかは分からない。でも、茶系でない葉や花が朽ちた色が茶色であることから葉や花を構成する高分子は化学的に安定な状態ではなく、生体維持に必要なエネルギーと物質を失えばとりどりの色を失い茶色が主成分の状態へと変成して行く。それは間違いないだろう。

つまり生きている木々の幹と枯れた葉や花とは似た色をしている。あるいは幹の表面は死んでいるのだろうか、枯れているのだろうか。年輪のある木の内側は木の色をしている。タンニンの色と思い至る。正確かどうかはそのうち調べよう。


見慣れた景色が一つの疑問で新たな光景を見せる。だから里山歩きはやめられない。

PS
ツグミやアオジ、ホオジロは居るには居るがやはり少ない。先月は遅いだけではと書いたが、今年の冬は留鳥も少なく増えていないとの印象だった。

また、ライフルと無線を持ったイノシシ撃ち6名に道ですれ違った。30代の若い人もいた。イノシシの増加は全国的現象らしいが事故が無いことを祈るのみ。

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