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今日も素敵な言葉に出会えた。「音楽の原始は自然の心地よい音」湯川れい子さん



今日も素敵な言葉に出会えた。
野鳥7月号(2010年)の付録「Toriino」に湯川れい子さんのインタビュー記事が載っていた。あの音楽評論家の湯川さんである。自然と音楽との関連を問われ、次のように答えている。



「音楽そのものが自然から生まれた存在であり、楽器も最初は鳥の声、木々が風にそよぐ音、よせては返す波の音なんかを、どう再現するかというところから始まりました。つまり、自然の中の心地よい音だけを取り出して組み合わせたものが「音楽」だと思うんです。だから、大自然のなかではその自然の音を楽しむことが一番。」
深いなー。音楽は自然の心地よい音の再現と組み合わせが始まりなんだ。

キビタキがさえずる木立ち、サンショウクイやホトトギスが鳴き交わす森。或いは、チドリが渡る夕暮れの岩礁、ホオジロの囀る晴れ渡った丘、ヨタカやトラツグミが己の存在を示す夜道。

多くの鳥が鳴くのは、特にスズメ目の仲間には人に美しく感じる種類が多い。

ここで、昔から考えてもよく解らない疑問が思い出される。

なぜヒトは鳥の囀りを美しいと感じるのだろう。囀りばかりでなく姿も美しいものが多い。ウグイスが春先に住宅地で練習する歌はヒトにも上手いとは言えない。それが時を経て、春が深まるにつれ見事に囀るウグイスばかりとなるのだ。ウグイスがどう感じているのかは別として、魅力的で価値が高まる方にその歌い方を変えたのは違いない。歌が同性に対する意味と異性に対する意味とでは異なるらしいが、それでも見事な歌い方は、力や能力が高いことの証明なのだろう。

鳥にもにヒトにもおなじ見事さを感じることが出来るのなら、それは、何か、絶対的な美しさがあると思えてしまう。絶対的な美しさ、それは何だろう。もし、ヒトを含めた生物に絶対的な美を感じることができるとすれば何と素晴らしいことだろう。同じ価値観を共有しているのかもしれない。

もちろん、そんな存在ばかりでなく、キレイな花に集まる蝶と同じくらい、糞に集まるハエや腐肉臭を放つラフレシアの花もある。彼等も役割のある大切な存在なのだから、彼らなりの美意識があるのだろが。

もしかすると、絶対的な美というものが存在して、それをわかった上で、美の表現を価値とするもの、その反対の特徴を追求するものと進化が進んで行ったのかもしれない。

何となく心地良い風や風景、音を無意識に感じて、それを表現するものが音楽だとすれば、やはり自分のなかの感じる美しさに心が従ったことが音楽の原始だと思える。無意識に感じる美しさが何かは知らない。でもそんな存在や仕組みが調和した生物で共有されていると考えるのは愉快なことだ。生物が無生物から生まれたとされるが、無生物にも調和があって、絶対的な美しさが存在するのだろうか。物理学や数学が教えるsimpleな原理が多彩な森羅万象を貫いていることは間違いないだろう。すばらしい数学の本を読むとその数感的美を自分も感じることができるからだ。

感じる心や無意識を見つめるということが、大切なことのように思えてきた。

楽しき思索の機会を与えていただけた湯川さんの言葉だった。

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