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今年の目標

2010年も明けました。

今年の目標の一つに次の定理を証明できるようになることがある。先のブログの算数宇宙冒険の一つのお題です。

1+2+3+4+...=-1/12

自然数を全部足すと-1/12となるという定理です。ゼータ関数ζ(n)のn=-1の時の値がそれです。

そこで、図書館で何冊か書籍を借りてきてました。

ポイントは無限の個数を足し合わせたことにヒントがあるので、無限について書かれたものです。

足立恒雄著「「無限」の考察」(2009.06)

絵本の雰囲気を醸し出しているのだが、中身は非常に整理され、わかりがいい。記憶に残したいのでポイントを書いておこう。

数学的無限大は3つあり、

  1. 解析に登場する無限大
  2. 幾何に登場する無限大
  3. 集合に登場する無限大
面白いと思ったのは、集合の無限大。著者によると集合の発見こそ、数学史上至高の創造だそうだ。カントル(1845−1918)がその創始者で、無限集合は「一つの集合の一部分集合であって全体と1対1のペアリングを与えられる」と定義される(デデキントの定義)。自然数はnとn^2がペアレントの例で自然数は無限集合である。2つの線分は他の一点から照らせば、1対1にペアリングができるので、そして、相互に近い点は相互に近い点に写されているので同相と幾何ではいうそうです。そして、集合の対等性に目の覚める例が出てきます。集合Xの全集合と集合Yの全集合との間に1対1の対応を付ける方法があるとき、XとYとは集合として対等であるという。任意の線分はすべて互いに対等である。

そして、びっくりする例が、平面と直線が対等であるという証明。カントルが証明したとき自分でも信じられなかったという。

平面上に点(a,b)をおいて、
例えば、a=0.2019...、b=0.5508...とすれば、
各位の数字を互い違いに入れて
c=0.25051098...
という実数を作る。これで1対1のペアリングであることはほぼ明らか、という。これってなんか聞いたことがあるぞ。無限にある部屋のホテルにはもしも満員でも人をさらに泊められるという方法。一人の新たな客には宿泊客に一つズレてもらうこと。不思議だなー。1次元と2次元は等しいかといえば違う。集合として対等ではあるが幾何的には同相ではない。なぜなら、平面の点を中心とする小さな円内の点の対応先はすべてある小さな区間の内部に入っている条件を満たしていない。これは同相でないことになる。

この方法は、集合は対等だが幾何は同相でない、そんな例である。


今日はここまで。

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