算数宇宙の冒険 (川端 裕人著)は、数学を題材にしたSF小説。
表紙が目にとまって手にした本。NHKスペシャルで最近あった「リーマン予想」のプログラムを見て予習効果となっていたこともあり、とても身近に感じられた。
ゼータ関数;ζ(s)=Σ(n^-s) がその物語の基底となっている。
面白いと感じたのは、
η(s)=Σ(n^-s)=Π(1/(1-p^-1)), (nは自然数、pは素数)
が和と積の世界のつながりとして物語の一部にしたところ。和と積の違いを、前にブログに書いたが、果たしてそういった考えをするんだと思ったのがその理由。sが1のときの証明もエラストテネスの考え方でできるというのも、もしかすると勘のいい小学生はわかるかもしれない。和と積は行列式と固有値の関係にも現れる。なるほどね。
物語のアイディアは、リーマン予想と物理学の関係にヒントを得ている。自明でない零点の間隔分布が重粒子のエネルギー準位解析に用いられたランダム行列理論に出てくる固有値の振る舞いと同じというのがそれで、話の後半はそれを手がかりにファンタジーを紡ぎだしている。
最初、数学を物語仕立てにした啓蒙書かと思いながら読んだため、相当違和感があったが、SFだとわかってからは気軽に読めた。
話の構造に近い本として、井沢元の猿丸幻視行があるが、こちらの方が著者の解釈、考え方が一貫してすばらしい本であるが、それに比べると本書は何が伝えたかったことなのかはっきりしない。小粒なアイディアは満載されているが、それが大きな宇宙観なり、数学と物理をつなげる解釈なりに提示できていればいいのだが、そこまでは深まっていないのが残念である。次回作に期待というところだろう。
表紙のイラストは、とってもいい。日経エレクトロニクスの最近の表紙を書いた人だろう。理由はいえないが惹き付ける力がある。
そして、本書のもう一つ魅力で、新たな取り組みは、サポートサイトだろう。算数宇宙の冒険 数学の解説ビデオでゼータ関数の講義を聴けたが、1/3のところで睡魔で撃沈。また、ゼータ関数の音色とか聞けて面白い。
表紙が目にとまって手にした本。NHKスペシャルで最近あった「リーマン予想」のプログラムを見て予習効果となっていたこともあり、とても身近に感じられた。
ゼータ関数;ζ(s)=Σ(n^-s) がその物語の基底となっている。
面白いと感じたのは、
η(s)=Σ(n^-s)=Π(1/(1-p^-1)), (nは自然数、pは素数)
が和と積の世界のつながりとして物語の一部にしたところ。和と積の違いを、前にブログに書いたが、果たしてそういった考えをするんだと思ったのがその理由。sが1のときの証明もエラストテネスの考え方でできるというのも、もしかすると勘のいい小学生はわかるかもしれない。和と積は行列式と固有値の関係にも現れる。なるほどね。
物語のアイディアは、リーマン予想と物理学の関係にヒントを得ている。自明でない零点の間隔分布が重粒子のエネルギー準位解析に用いられたランダム行列理論に出てくる固有値の振る舞いと同じというのがそれで、話の後半はそれを手がかりにファンタジーを紡ぎだしている。
最初、数学を物語仕立てにした啓蒙書かと思いながら読んだため、相当違和感があったが、SFだとわかってからは気軽に読めた。
話の構造に近い本として、井沢元の猿丸幻視行があるが、こちらの方が著者の解釈、考え方が一貫してすばらしい本であるが、それに比べると本書は何が伝えたかったことなのかはっきりしない。小粒なアイディアは満載されているが、それが大きな宇宙観なり、数学と物理をつなげる解釈なりに提示できていればいいのだが、そこまでは深まっていないのが残念である。次回作に期待というところだろう。
表紙のイラストは、とってもいい。日経エレクトロニクスの最近の表紙を書いた人だろう。理由はいえないが惹き付ける力がある。
そして、本書のもう一つ魅力で、新たな取り組みは、サポートサイトだろう。算数宇宙の冒険 数学の解説ビデオでゼータ関数の講義を聴けたが、1/3のところで睡魔で撃沈。また、ゼータ関数の音色とか聞けて面白い。
コメント
この原型の『刀札』への道のりは、4冊の絵本で・・・
「こんとん」夢枕獏文松本大洋絵
「ゆうかんな3びきとこわいこわいかいぶつ」スティーブ・アントニー作・絵 野口絵美訳
「みどりのトカゲとあかいながしかく」スティーブ・アントニー作・絵 吉上恭太訳
[もろはのつるぎ」(有田川町ウエブライブラリー)
ストリップゼータの音色隠し持つ
√6〇÷▢如来蔵