2009年に家族4人でロタ島に遊びにいって来たのでその記録です。この駄文は、鳥と魚の記録と、この次にロタ島に行かれる方のための情報源となるように書きました。
長男が希望の高校に合格したので、かねてから決めていたご褒美旅行に行くことにした。候補地を決める条件は、チョウチョウウオが簡単に見られること、鳥が見られること、英語が伝わること、安いこと、短時間の飛行、などでした。
この条件に合うのは、南の島でグアムかサイパン乗り継ぎのロタ島しかない。そうして探して見ると直行便が近畿日本ツーリストから企画されていることがわかりました。これに決定。
初日[2009/04/25]
飛行機は20:45に成田国際空港を出て、3時間半程度で、ロタ国際空港へ。チャータ機の座席は3+3の1列6人がけで4人のグループの我々は前後に並んで通路側に着席。下が小5でまだ要領がわからないので親が前に座ったのはとってもよかった。迎えの車で10分ほど走ってホテル(ココナッツビレッジホテル)に到着。バンガローの屋根に設置されたソーラー温水機のぬるめのシャワーを浴び、ヤモリの小さい声を聞きながら就寝。
2日目[2009/04/26]
朝、ホテルのレストランにてバカ高い朝食($15*4)を取る。フルーツブレックファーストを頂いたが、5種類ほどあったフルーツはどれも甘さに欠けおいしいとは言えない(この日はたまたまかもしれないのですが)。
レンタカーをホテルで手配し、ソンソン村(Song Song Village)にまずは買い出しに。ラッキーストアではパンやお菓子もあり、これを昼食にした。レンタカーは日本から予約しようかとも思ったがバカに高く(約45000円/4日)、リターン方法など行程も不明な点があったので現地調達にした。安かった。カローラを保険を入れて4日で$240-で借りることができた。全く問題なかった(初めは)。
食料調達後、ロタ島で最も有名なテテトビーチに終日シュノーケリング。
ロタ島は外洋に面しているので、波が荒く、潮の流れも速い。珊瑚でできているので波に叩き付けられると危険である。そのため、遊泳場所が限られている。ここ、テテトビーチは白い珊瑚の砂浜で沖に向かって徐々に珊瑚が発達し、30mほど沖で珊瑚礁に囲まれている。そのため、荒波はここで吸収され浜まで打ち寄せない。海水は透明度が高く、20mは見通せただろう。パンの切れ端をあげるとあちこちから餌めがけて色んな魚が泳いでくる。中で最も近くまで来て手から直接喰いついたのが目当てのトゲチョウチョウウオ。いい感じのグラディエーションを身にまとっているのはムラサメモンガラ。こいつはフォトジェニックな色彩だ。
夕方になっても長男と父はシュノーケリング。潮が引いて殆ど泳げない。あちこちの珊瑚が引っかかって前にスムーズには進めない。ナマコは30cm間隔でいる。ナマコは少なくとも3種類は居そうだ。チョウチョウウの研究者になると行っている長男に聞くとナマコは浜の砂を食べ有機物を消化する掃除屋だそうだ。海底に降り積もって堆積した有機物をデトリタスというそうで、そこここにナマコのうんちも細いチョークみたいに海底にある。畑のミミズのような物か。このチョークはなぜは必ず2つ折になっていたのが興味深かった。
夕食はホテルでチャモロ料理。なかなかいける。
3日目[2009/04/27]
早朝夫婦で島の南東にあるサグアガガ・バードサンクチュアリに下見ドライブ。ロタ島の情報源は大沢 啓子 (著), 大沢 夕志 (著) の「ふたりのロタ島動物記」。サンクチュアリまでは悪路で看板が無く迷いやすいとあったのでかなり不安であったが、出版後10年で看板も整備され道もよくなっていた。ホテルから15分程度でついてしまった。
車を止めて出てみると、速く流れる低い雲を背景にいきなりシラオネッタイチョウが飛んでいる。島は珊瑚礁が隆起したと思うのだが、そのため平らだったサンクチュアリまでの大地から一気に断崖絶壁となっていた。サンクチュアリには絶壁の上部に見晴し台と、そこから何本かの壁にそった小道がつけられている。強い向かい風を受けながらまず見晴し台に昇ると、雲の切れ目から輝く朝日と、日を受けて輝く絶壁、外洋の白波の中、乱舞する海鳥が見られた。強烈な風景である。
眼下にジャングルが広がっており、その樹冠部に白い大きなカツオドリ類がコロニーを作っている。小道を下りて行くとカツオドリ類やアジサシ類が間近に見える。風は東風で壁に当たって上昇気流となるのだろうアカアシカツオドリが離発着している。ここは鷺山のようであった。何本かの樹木は糞尿のせいだろう立ち枯れをしていた。クロアジサシは絶壁が好きなようで、ちょっとした窪みにたいてい2羽で止まったり、飛び出したり降り立ったりしていた。カツオドリは好奇心が旺盛で、着陸時に風下に回ってコロニーに降り立つ前にこっちを覗き込んでいた。カツオドリは首が長いので本当に首を折り曲げて下を見るのだが、何度も目が合った。ひょうきんな顔だ。着陸は速度を落とすため、また風が強いためヒレのついた真っ赤な足を前に投げ出して大きく広げてブレーキをかけているようだった。首を足が前に突き出して風を受ける翼を上手に制御して失速するように降りて行く。見事。
ネッタイチョウはシラオもアカオを見られた。アカオネッタイチョウは背面が一面白で、ひょいと長いピン状の尾羽と尖ったくちばしが真っ赤できれいなコントラストを持っている。それに対してシラオネッタイチョウはクスンだ黄色のくちばしで白い尾羽だが、なんといっても翼上面のV字の黒い模様が格好いい。こいつは10年ほど前、ハワイのカウアイ島で遠くに一度見ただけだったのできちんと見られて大変満足。
カツオドリはアカアシもアオツラもいる。ナンヨウショウビンも普通に居る。アジサシはシロアジサシ(Common Fairy-Turn)とクロアジサシ(Black Noddy)がいた。サンクチュアリの看板にはヒメクロアジサシ(Brown Noddy)もいるとあるがよく識別点がわからなかった。帰国後日本の本で復習したら識別ポイントが整理されており日本の鳥の本も持って行く必要があるなと感じた。
驚いたことに、小道の先端に知った顔のご夫婦がいらっしゃる。同じ鳥仲間のT夫妻だ。なんと言う偶然。直行便が就航するのを待っていたのだという。ひとしきり鳥談義を交わした後、空が怪しくなって来たので戻ることにした。
帰り際、コバシヒメアオバトが瞬間車の目の前を横切った。尾羽の先端が白いバンドがよく目立った。世界のアオバトを見たいと思っており瞬間でもハッピー。今度じっくり見るぞ。
ホテルに帰り遅い朝食後に、ホテルからほど近いスイミングホールへ行く。ここも日本人人気でNo2の観光地らしい。ここは海岸近くだが淡水が直径5mくらいの楕円の池に湧き出しており、外海の海水とトンネルで繋がっており水温と塩分濃度が場所により異なる。そのため塩分の濃淡で海面下でも視界がぼやける。海水ばかりの底に潜ると良く見えだす。潜ると岩の隙間にはタテジマキンチャクダイの幼魚が居た。こいつは青地に白や黄色が渦巻き状に巻いておりこいつも非常に美しい。
夕食後、アオバトが出るという千本椰子公園に行く。ホテルのガイドさんからアオバトが見られるのはここだと聞いたからだが、ここもビーチがある。太陽が西に沈みつつあり、クロアジサシのシルエットが美しい。
浜を歩いているとアオバトらしい声が聞こえる。声をたよりに探してもなかなか見つかる物ではない。マレーシアや地元大磯で体験済みだ。幸運なことに浜沿いの小道を曲がると鳩が飛び出し近くの松に止まった。細長い葉が多数垂れ下がった南洋松(モクマオウ)の枝の中だ。双眼鏡で確認するとはたしてコバシヒメアオバトがいる。2羽居る。こちらがじっとしていると、体を変えてこちらを向く。非常に美しい鳩だ。
この件をホテルのガイドに話すと、彼の話では、立ったおとなの目線に巣を作ったりしているらしい。また、ロタ島のアオバトは海水を飲むかと質問すると、自分は見たことが無いが、海水を飲んでいるコバシヒメアオバトを見たと聞いたことがあると言っていた。やった。ここマリアナでも海水を飲む目撃例があるのだ。謎な鳥アオバトにもあえて満足した。公園に置いて来た子供達がもうそろそろ飽き出す頃だ、引き上げよう。
ホテルのプールでもう一泳ぎ。ホテルから見る夕日はドラマチック。
最後の夜は、お決まりなのであろうソンソン村でチャータ機搭乗全員でディナーパーティ。地元の高校生と思われるグループの歌と踊り、豚の丸焼き、様々なバイキング料理。それはそれでおいしく楽しかった。子供達は食べ終わったらさっさとDSゲームやってたけど。
最終日は島内を観光。といってもダートを駈けて東北の端にある釣り場のアスマンモスに行ったり、空港の近くの第2の村、シナパル村でランチを取ったり、ソンソン村で魚関係のお土産買ったりしておしまい。
最後、トラブルが。
レンタカーを満タン返しするため、ガソリンスタンドによった。島内に一つしか無いスタンド自身に大型車から給油しており、その間は車に給油できず待ちの行列ができている。といっても、3台だが。順番が来てガソリンを入れてもらうとなんと反対側で給油していた客が指差してガソリンが漏れているという。見てみると本当に漏れている。どうしたカローラ。発火温度が低いガソリンはもちろんものすごく危険。ガススタンドの脇に一時退避させ、家族もみんな車から離れた。どうすりゃいいんだ!?もう一度見てみると今度はガソリンは漏れていない。ホテルの集合時間も近いぞ。スタンドのお兄ちゃんにどうしたものかと相談すると、知らないという顔をする。「まずお金だけ払う」と言うと「$5だ」と言うので、$5紙幣を渡す。メータも5を指していた。「ちがうちがう$25といったんだ」と今度は怒り顔。焦っていたので聞き漏らしたか、$25払いながらどうしたらいいんだと客を含め会話。スタンドのお兄ちゃんは実にクールで、まったく、自分でなんとかしろって雰囲気丸出し。「4日間無事に走っていたぞ。どうして今漏れるんだ?」と俺、「その車はレンタカーだな、そんならレンタカーにすぐ返せ」と客。そうだ、ガソリンがタンク上部で溢れただけなのかもしれないと自分を納得させて、家族でホテルに戻ることにした。
結局は無事に戻ることはできたんだが、帰る途中、スタンドを出て2分後に以前にも似たパターンを経験したことを思い出した。
サンフランシスコの中心街の屋台で$3のホットドックを頼んで、$50紙幣を渡しておつりとものを待っていると、屋台中をおつりを探しだした。2〜3分後におつりを$17くれる。ん?「俺$50渡したよ。」と指摘すると、「お前の渡したのは$20紙幣だったよ。ほらこれだよ。」と札束の最後の紙幣を指す。「あそうだったか。OK。」と受け取ってしまった。屋台を後にし、ホットドックを頬張りながら、1分後に、「やられた」と気がついた。やっぱり釣り銭をごまかされたんだ。こんな簡単な手に引っかかるなんて。でも言い寄っても知らぬ存ぜぬを通すに違いない、高い授業料と割り切ることにした。このことと似ているのだ。
何かイレギュラーなことがあり、小銭を踏んだくられる。もしかしてガソリン漏れも兄ちゃんの自作自演なのかもしれない。で、やっぱり、給油機が示した$5が正しく$20をくすねられたのかもしれない。旅行者がガソリンを入れるのは返す間際に決まっており、帰国の時間が迫っていることも織り込み済みだ。その焦りを突かれたのかもしれない。そうすれば人懐っこいので有名なチャモロ人の兄ちゃんがクールな理由もわかる。など、など、やられた感一杯でホテルに着いたのです。
落ち着いて改めて考えると、給油機の5は5ガロンかもしれない。ロタでは今、1ガロン=$3.5程度だそうだ。そうすると5ガロンで$17.5。まあまあ近い。でも高い。5ガロンは22リットル。然費10Km/Lとすると走行距離は220Km。一日50Kmで、4日間ならそんなもんか。じゃー本当に漏れていたのかな。それとも、わざと給油をオーバさせ、焦らして計算をできなくしたのかな。あるいは...。真相は分からないが、ロタ島では車の故障、軽い金額サギのどちらもあり得るなというお話。
その他
長男が希望の高校に合格したので、かねてから決めていたご褒美旅行に行くことにした。候補地を決める条件は、チョウチョウウオが簡単に見られること、鳥が見られること、英語が伝わること、安いこと、短時間の飛行、などでした。
この条件に合うのは、南の島でグアムかサイパン乗り継ぎのロタ島しかない。そうして探して見ると直行便が近畿日本ツーリストから企画されていることがわかりました。これに決定。
初日[2009/04/25]
飛行機は20:45に成田国際空港を出て、3時間半程度で、ロタ国際空港へ。チャータ機の座席は3+3の1列6人がけで4人のグループの我々は前後に並んで通路側に着席。下が小5でまだ要領がわからないので親が前に座ったのはとってもよかった。迎えの車で10分ほど走ってホテル(ココナッツビレッジホテル)に到着。バンガローの屋根に設置されたソーラー温水機のぬるめのシャワーを浴び、ヤモリの小さい声を聞きながら就寝。
2日目[2009/04/26]
朝、ホテルのレストランにてバカ高い朝食($15*4)を取る。フルーツブレックファーストを頂いたが、5種類ほどあったフルーツはどれも甘さに欠けおいしいとは言えない(この日はたまたまかもしれないのですが)。
写真はホテルでの朝食
レンタカーをホテルで手配し、ソンソン村(Song Song Village)にまずは買い出しに。ラッキーストアではパンやお菓子もあり、これを昼食にした。レンタカーは日本から予約しようかとも思ったがバカに高く(約45000円/4日)、リターン方法など行程も不明な点があったので現地調達にした。安かった。カローラを保険を入れて4日で$240-で借りることができた。全く問題なかった(初めは)。
食料調達後、ロタ島で最も有名なテテトビーチに終日シュノーケリング。
ロタ島は外洋に面しているので、波が荒く、潮の流れも速い。珊瑚でできているので波に叩き付けられると危険である。そのため、遊泳場所が限られている。ここ、テテトビーチは白い珊瑚の砂浜で沖に向かって徐々に珊瑚が発達し、30mほど沖で珊瑚礁に囲まれている。そのため、荒波はここで吸収され浜まで打ち寄せない。海水は透明度が高く、20mは見通せただろう。パンの切れ端をあげるとあちこちから餌めがけて色んな魚が泳いでくる。中で最も近くまで来て手から直接喰いついたのが目当てのトゲチョウチョウウオ。いい感じのグラディエーションを身にまとっているのはムラサメモンガラ。こいつはフォトジェニックな色彩だ。
ムラサメモンガラ (Picassofish)
初め見たときは何とも変わったそれでいてなんと綺麗な魚だろう
初め見たときは何とも変わったそれでいてなんと綺麗な魚だろう
夕方になっても長男と父はシュノーケリング。潮が引いて殆ど泳げない。あちこちの珊瑚が引っかかって前にスムーズには進めない。ナマコは30cm間隔でいる。ナマコは少なくとも3種類は居そうだ。チョウチョウウの研究者になると行っている長男に聞くとナマコは浜の砂を食べ有機物を消化する掃除屋だそうだ。海底に降り積もって堆積した有機物をデトリタスというそうで、そこここにナマコのうんちも細いチョークみたいに海底にある。畑のミミズのような物か。このチョークはなぜは必ず2つ折になっていたのが興味深かった。
夕食はホテルでチャモロ料理。なかなかいける。
3日目[2009/04/27]
早朝夫婦で島の南東にあるサグアガガ・バードサンクチュアリに下見ドライブ。ロタ島の情報源は大沢 啓子 (著), 大沢 夕志 (著) の「ふたりのロタ島動物記」。サンクチュアリまでは悪路で看板が無く迷いやすいとあったのでかなり不安であったが、出版後10年で看板も整備され道もよくなっていた。ホテルから15分程度でついてしまった。
車を止めて出てみると、速く流れる低い雲を背景にいきなりシラオネッタイチョウが飛んでいる。島は珊瑚礁が隆起したと思うのだが、そのため平らだったサンクチュアリまでの大地から一気に断崖絶壁となっていた。サンクチュアリには絶壁の上部に見晴し台と、そこから何本かの壁にそった小道がつけられている。強い向かい風を受けながらまず見晴し台に昇ると、雲の切れ目から輝く朝日と、日を受けて輝く絶壁、外洋の白波の中、乱舞する海鳥が見られた。強烈な風景である。
眼下にジャングルが広がっており、その樹冠部に白い大きなカツオドリ類がコロニーを作っている。小道を下りて行くとカツオドリ類やアジサシ類が間近に見える。風は東風で壁に当たって上昇気流となるのだろうアカアシカツオドリが離発着している。ここは鷺山のようであった。何本かの樹木は糞尿のせいだろう立ち枯れをしていた。クロアジサシは絶壁が好きなようで、ちょっとした窪みにたいてい2羽で止まったり、飛び出したり降り立ったりしていた。カツオドリは好奇心が旺盛で、着陸時に風下に回ってコロニーに降り立つ前にこっちを覗き込んでいた。カツオドリは首が長いので本当に首を折り曲げて下を見るのだが、何度も目が合った。ひょうきんな顔だ。着陸は速度を落とすため、また風が強いためヒレのついた真っ赤な足を前に投げ出して大きく広げてブレーキをかけているようだった。首を足が前に突き出して風を受ける翼を上手に制御して失速するように降りて行く。見事。
ネッタイチョウはシラオもアカオを見られた。アカオネッタイチョウは背面が一面白で、ひょいと長いピン状の尾羽と尖ったくちばしが真っ赤できれいなコントラストを持っている。それに対してシラオネッタイチョウはクスンだ黄色のくちばしで白い尾羽だが、なんといっても翼上面のV字の黒い模様が格好いい。こいつは10年ほど前、ハワイのカウアイ島で遠くに一度見ただけだったのできちんと見られて大変満足。
カツオドリはアカアシもアオツラもいる。ナンヨウショウビンも普通に居る。アジサシはシロアジサシ(Common Fairy-Turn)とクロアジサシ(Black Noddy)がいた。サンクチュアリの看板にはヒメクロアジサシ(Brown Noddy)もいるとあるがよく識別点がわからなかった。帰国後日本の本で復習したら識別ポイントが整理されており日本の鳥の本も持って行く必要があるなと感じた。
驚いたことに、小道の先端に知った顔のご夫婦がいらっしゃる。同じ鳥仲間のT夫妻だ。なんと言う偶然。直行便が就航するのを待っていたのだという。ひとしきり鳥談義を交わした後、空が怪しくなって来たので戻ることにした。
帰り際、コバシヒメアオバトが瞬間車の目の前を横切った。尾羽の先端が白いバンドがよく目立った。世界のアオバトを見たいと思っており瞬間でもハッピー。今度じっくり見るぞ。
ホテルに帰り遅い朝食後に、ホテルからほど近いスイミングホールへ行く。ここも日本人人気でNo2の観光地らしい。ここは海岸近くだが淡水が直径5mくらいの楕円の池に湧き出しており、外海の海水とトンネルで繋がっており水温と塩分濃度が場所により異なる。そのため塩分の濃淡で海面下でも視界がぼやける。海水ばかりの底に潜ると良く見えだす。潜ると岩の隙間にはタテジマキンチャクダイの幼魚が居た。こいつは青地に白や黄色が渦巻き状に巻いておりこいつも非常に美しい。
夕食後、アオバトが出るという千本椰子公園に行く。ホテルのガイドさんからアオバトが見られるのはここだと聞いたからだが、ここもビーチがある。太陽が西に沈みつつあり、クロアジサシのシルエットが美しい。
浜を歩いているとアオバトらしい声が聞こえる。声をたよりに探してもなかなか見つかる物ではない。マレーシアや地元大磯で体験済みだ。幸運なことに浜沿いの小道を曲がると鳩が飛び出し近くの松に止まった。細長い葉が多数垂れ下がった南洋松(モクマオウ)の枝の中だ。双眼鏡で確認するとはたしてコバシヒメアオバトがいる。2羽居る。こちらがじっとしていると、体を変えてこちらを向く。非常に美しい鳩だ。
この件をホテルのガイドに話すと、彼の話では、立ったおとなの目線に巣を作ったりしているらしい。また、ロタ島のアオバトは海水を飲むかと質問すると、自分は見たことが無いが、海水を飲んでいるコバシヒメアオバトを見たと聞いたことがあると言っていた。やった。ここマリアナでも海水を飲む目撃例があるのだ。謎な鳥アオバトにもあえて満足した。公園に置いて来た子供達がもうそろそろ飽き出す頃だ、引き上げよう。
ソンソン村の西にある千本ヤシ公園
(コバシヒメアオバトを探しに行った)
(コバシヒメアオバトを探しに行った)
ホテルのプールでもう一泳ぎ。ホテルから見る夕日はドラマチック。
ホテルから見える夕暮れ
最後の夜は、お決まりなのであろうソンソン村でチャータ機搭乗全員でディナーパーティ。地元の高校生と思われるグループの歌と踊り、豚の丸焼き、様々なバイキング料理。それはそれでおいしく楽しかった。子供達は食べ終わったらさっさとDSゲームやってたけど。
最終日は島内を観光。といってもダートを駈けて東北の端にある釣り場のアスマンモスに行ったり、空港の近くの第2の村、シナパル村でランチを取ったり、ソンソン村で魚関係のお土産買ったりしておしまい。
最後、トラブルが。
レンタカーを満タン返しするため、ガソリンスタンドによった。島内に一つしか無いスタンド自身に大型車から給油しており、その間は車に給油できず待ちの行列ができている。といっても、3台だが。順番が来てガソリンを入れてもらうとなんと反対側で給油していた客が指差してガソリンが漏れているという。見てみると本当に漏れている。どうしたカローラ。発火温度が低いガソリンはもちろんものすごく危険。ガススタンドの脇に一時退避させ、家族もみんな車から離れた。どうすりゃいいんだ!?もう一度見てみると今度はガソリンは漏れていない。ホテルの集合時間も近いぞ。スタンドのお兄ちゃんにどうしたものかと相談すると、知らないという顔をする。「まずお金だけ払う」と言うと「$5だ」と言うので、$5紙幣を渡す。メータも5を指していた。「ちがうちがう$25といったんだ」と今度は怒り顔。焦っていたので聞き漏らしたか、$25払いながらどうしたらいいんだと客を含め会話。スタンドのお兄ちゃんは実にクールで、まったく、自分でなんとかしろって雰囲気丸出し。「4日間無事に走っていたぞ。どうして今漏れるんだ?」と俺、「その車はレンタカーだな、そんならレンタカーにすぐ返せ」と客。そうだ、ガソリンがタンク上部で溢れただけなのかもしれないと自分を納得させて、家族でホテルに戻ることにした。
結局は無事に戻ることはできたんだが、帰る途中、スタンドを出て2分後に以前にも似たパターンを経験したことを思い出した。
サンフランシスコの中心街の屋台で$3のホットドックを頼んで、$50紙幣を渡しておつりとものを待っていると、屋台中をおつりを探しだした。2〜3分後におつりを$17くれる。ん?「俺$50渡したよ。」と指摘すると、「お前の渡したのは$20紙幣だったよ。ほらこれだよ。」と札束の最後の紙幣を指す。「あそうだったか。OK。」と受け取ってしまった。屋台を後にし、ホットドックを頬張りながら、1分後に、「やられた」と気がついた。やっぱり釣り銭をごまかされたんだ。こんな簡単な手に引っかかるなんて。でも言い寄っても知らぬ存ぜぬを通すに違いない、高い授業料と割り切ることにした。このことと似ているのだ。
何かイレギュラーなことがあり、小銭を踏んだくられる。もしかしてガソリン漏れも兄ちゃんの自作自演なのかもしれない。で、やっぱり、給油機が示した$5が正しく$20をくすねられたのかもしれない。旅行者がガソリンを入れるのは返す間際に決まっており、帰国の時間が迫っていることも織り込み済みだ。その焦りを突かれたのかもしれない。そうすれば人懐っこいので有名なチャモロ人の兄ちゃんがクールな理由もわかる。など、など、やられた感一杯でホテルに着いたのです。
落ち着いて改めて考えると、給油機の5は5ガロンかもしれない。ロタでは今、1ガロン=$3.5程度だそうだ。そうすると5ガロンで$17.5。まあまあ近い。でも高い。5ガロンは22リットル。然費10Km/Lとすると走行距離は220Km。一日50Kmで、4日間ならそんなもんか。じゃー本当に漏れていたのかな。それとも、わざと給油をオーバさせ、焦らして計算をできなくしたのかな。あるいは...。真相は分からないが、ロタ島では車の故障、軽い金額サギのどちらもあり得るなというお話。
その他
- 虫に付いて:「二人の〜」には蚊がものすごい数と強いかゆみとあったので、顔ネットや防虫スプレーをしこたま持って来たが、蚊に刺されずじまい。季節が乾期の終わりの4月が良かったか。
- ゴミに付いて:「二人の〜」にはそれら中ゴミが溢れているとあったが、そんなことは無く非常にクリーンであった。公園にはゴミ箱が設置されており、ゴミの廃棄は法律により処罰されると至る所に書いてあったので、ゴミの施政が奏功したのかもしれない。
- 危険性について:サイパンやグアムと違い、都市化されておらず基本的にいい人ばっかりだと思っていたが、レンタカーのトランクから水中眼鏡だけ盗まれた。善人ばかりではもちろん無い。
- 哺乳類について:オオコウモリにはサンクチュアリで一度あったが、鹿もネズミにも一度たりと会っていない。
- その他の鳥に付いて:オウチュウはそこら中にいる。森の電線に良く停まっていた。
ココナッツビレッジに最終日に
観察できた魚たち(spはspicesの略で、仲間という意味で使いました)
- オヤビッチャ、ハクテンカタギ、スダレチョウチョウウオ、セグロチョウチョウウオ、ミスジチョウチョウウオ、トゲチョウチョウウオ、チョウハン、ハナグロチョウチョウウオ、タテジマキンチャクダイ、ミスジリュウキュウスズメダイ、ホンソメワケベラ、シマハギ、ニジハギ、ムラサメモンガラ、テングカワハギ、モンダルガレイ、タイワンブダイ(♂)、ヒラメsp、フグsp、ハゼsp、サヨリsp、ヤガラsp、イザリウオsp、シチセンスズメダイ?
- ナンヨウショウビン、オウチュウ、シラオネッタイチョウ、アカオネッタイチョウ、オオベニバト、コバシヒメアオバト、クロサギ、アカアシカツオドリ、カツオドリ、シロアジサシ、クロアジサシ、カラスモドキ、スズメ、コグンカンドリ
- オオコウモリ、ヤドカリsp、犬、野鶏
- 大沢啓子、大沢夕志、"ふたりのロタ島動物記 オオコウモリと島の楽園ガイド"、(株)山と渓谷社、1999年4月.
(基本的にこの本がロタ島に行く決め手になった。予習を兼ねて読んだが、道路状況など10年の差がかなりある。) - H.D. Paratt, et al, " A Filed Guide To The Birds of Hawaii and the Tropical Pacific," Princeton University Press, 1987.
(この本を持って行ったが、ホテルでもらったROTAという観光案内のパンフレットに島の地図、代表的な鳥が割に詳細に載っており、鳥の初心者にはこちらの方で充分かもしれない。) - 小林安雅, "ミクロネシアの海水魚", 東海大学出版, 1994年2月.
(この本は写真も綺麗でミクロネシアに限っているので魚の同定に悩むことは少なかった。) - 本川達雄, "サンゴとサンゴ礁のはなし、南の海の不思議な生態系", 中公新書, 2008年6月.
(この本はmustで現地にご持参ください。)
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