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「サンゴとサンゴ礁のはなし」

なんてエキサイティングなサンゴの話! ★ ★ ★ ★ ★ この本川達雄著の「サンゴとサンゴ礁のはなし〜南の海のふしぎな生態系〜」は、なんて知的でわくわくする本なのだろう。 もっと早くにこの本に出会いたかった。読後の感想である。 この春、ロタ島(北マリアナ自治領)で1度シュノーケリングをしてだけのサンゴや熱帯魚の知識がほとんどない私でも、本書を読み進めてくうちにき ちんとそれらの知識が頭に入って来た。あ〜、あのときのホンワケベラはそんなことをしてたんだ、チョウチョウウオの口がお著部口(おちょぼぐち)なわけや その仲間に縦縞が多いわけや、サンゴ礁の造形の理由、南の海が透明な理由、夕方になると泡をまとって浮上する海藻みたいな粘液の正体、読み進めるに従いそ んなことがすかっり分かった気になってしまうのだ。現地で読みたかったな。 特に著者は知識の無い読者に対してもイメージできるように、丁寧に説明を重ね、その上で知識が積み重ねられるように配慮して文章を起こしている。 そんな気配りの文章はイライラするはずも無く、そして何より、著者はサンゴとサンゴ礁が大好きだ!それがひしひしと伝わってくる。本書の「はじめに」に書 かれている次の一節がそれを表していよう。「〜 一生に一度は、いい音楽に心をうばわれ、また名画に感動しなければいけないように、サンゴ礁の海に一度は 潜ってみなければ、その分その人の人生は、その分だけ貧しくなると私は思っている。」これだ。名書は著者の深い思い入れがなければ生まれものではない。 日焼けとビールで火照った体には南の島の夕風が心地よいように、通り一遍、熱帯魚やサンゴを見るあとは、この本を読み進めることで今日見た海の光 景はそういうことだったのかと合点が行き、知的な興奮を覚えるだろう。南の島にいかれる際は本書を持参することを強くお勧めする。今度いくときは評者も現 地に持参しようと思う。

録音データの整理方法

録音データの整理方法 自分で録音したwavファイルをどうして整理したらいいのか今日思いついたので、その備忘録。 (1)録音データ(WAVファイル)を取り込む(ドラッグ&ドロップね)。 (2)最低限のメモをファイル名に追加する。こんなスクリプトを作りました。MacOSXですので、cshで実行。 #!/bin/csh echo "PCM-D1からの音声データのファイル名を書き換えるためのスクリプト" touch list_of_file_name.txt chmod +x list_of_file_name.txt ls -l *WAV |awk '{print "mv ", $9, " ", $9}'>! list_of_file_name.txt vi list_of_file_name.txt (3)iTumesをoptionキーを押しながら起動し、「自然の音」ライブラリを開く (4)名称を変更した音声(WAV)ファイルをドラッグ&ドロップでiTunesに読み込ませる。 (5)塊のファイルを選んで情報を表示(⌘+i)で、アーティスト、アルバム名、年などを入力する。コメントにも録音情報を書き留めておく。 (6)iTunesでAACファイルに変換する。出ないと、アートワーク(ジャケットの画像)が表示できないため。 (7)表示オプション(⌘+P)で種類を表示させ、WAVファイルを選ぶ。 (8)WAVファイルを非表示する(削除するが、ファイルは残しておく)。 これで、iTunesで管理ができるようになります。 2009/05/04

「振動力発電のすべて」速水浩平著

おすすめ度:★★☆☆☆ 本書は、音や振動から電気エネルギーを得る振動力発電についての夢と将来像を描いた書である。原理は至ってシンプルで圧電素子を用いて振動エネルギーを電気エネルギーに変換する。しかし、問題はその効率の低さである。著者は工夫の末、外部に共振系を圧電素子に取り付け、振動エネルギーを効率的に伝えた点と、共振系に固定端を構成してより、伝搬効率を高め、実用レベルに仕上げたと主張する。  著者はその原理を小学校の時に着想し、大学2年生のときに研究室の発表会でテーマとして取り上げ、さまざまな失敗と工夫の後、12月にLED20個点灯に成功させたのだった。もっとも、この時はスピーカである磁石にまかれたインダクタンスを振動させることで誘導起電力を得る方法だったが、効率向上が望めないと判断し、直後圧電素子に変更している。原理は昔から知られており低効率のため大したエネルギーは取り出せないと皆が思い込んでいたなか、そのドグマに染まっていない幸運に恵まれていた。私も、中学生のときに似た体験をしていることを覚えている。電源なしのAMラジオを自作した際、イヤホンから音楽が聞こえるのだから電波エネルギーを使ってスピーカを鳴らすことはできないかと思っていた。しかし、[ラジオの製作」と言う雑誌に電波エネルギを用いてスピーカを駆動することは無理であるとはっきり書いてあり、偉い人が言ってるんだからそうなんだろうとドグマに染まった経験を持つ。  この著者の速水氏が偉いのは、小学生の時の着想を大事にし大学で発明し、それをビジネスまで高めたそ点にある。大学を選ぶ際、慶応大学の湘南キャンパスを選んだのも、将来の起業を意識したからで、大学に入るとベンチャー支援組織(SIV)を探しあて、1年生のときからビジネスアイディアコンテストに参加するというその行動力の高さである。  本書は日本実業出版社からの出版であることもあり、タイトルとは裏腹に実用書に徹している。その振動力発電についてエンジニアリングのレベルではまったく納得感が薄く、実のところ技術のことはよくわからない書物である。というより、細かいことはまだ明らかにせずにその将来性、応用の広さを喧伝することに目的があるように思われる。同じことが何度も書かれており、論理の展開も弱く、文章も稚拙なのだが、その技術を世界中に広め低炭...