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「サンゴとサンゴ礁のはなし」

なんてエキサイティングなサンゴの話!


この本川達雄著の「サンゴとサンゴ礁のはなし〜南の海のふしぎな生態系〜」は、なんて知的でわくわくする本なのだろう。

もっと早くにこの本に出会いたかった。読後の感想である。



この春、ロタ島(北マリアナ自治領)で1度シュノーケリングをしてだけのサンゴや熱帯魚の知識がほとんどない私でも、本書を読み進めてくうちにき ちんとそれらの知識が頭に入って来た。あ〜、あのときのホンワケベラはそんなことをしてたんだ、チョウチョウウオの口がお著部口(おちょぼぐち)なわけや その仲間に縦縞が多いわけや、サンゴ礁の造形の理由、南の海が透明な理由、夕方になると泡をまとって浮上する海藻みたいな粘液の正体、読み進めるに従いそ んなことがすかっり分かった気になってしまうのだ。現地で読みたかったな。

特に著者は知識の無い読者に対してもイメージできるように、丁寧に説明を重ね、その上で知識が積み重ねられるように配慮して文章を起こしている。 そんな気配りの文章はイライラするはずも無く、そして何より、著者はサンゴとサンゴ礁が大好きだ!それがひしひしと伝わってくる。本書の「はじめに」に書 かれている次の一節がそれを表していよう。「〜 一生に一度は、いい音楽に心をうばわれ、また名画に感動しなければいけないように、サンゴ礁の海に一度は 潜ってみなければ、その分その人の人生は、その分だけ貧しくなると私は思っている。」これだ。名書は著者の深い思い入れがなければ生まれものではない。

日焼けとビールで火照った体には南の島の夕風が心地よいように、通り一遍、熱帯魚やサンゴを見るあとは、この本を読み進めることで今日見た海の光 景はそういうことだったのかと合点が行き、知的な興奮を覚えるだろう。南の島にいかれる際は本書を持参することを強くお勧めする。今度いくときは評者も現 地に持参しようと思う。

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