面白かった。後味のいい映画だ。
首から下が全身麻痺している金持ちフィリップと貧困の底でもがく介護人ドリスの仕組まざる絆の成長が主題である。
全体を貫いているのはドリスのフィリップに対する対等感であり、フィリップのドリスに対する生きる力の信頼感である。ドリスが障がい者と金持ちの行動をブラックジョークでからかい、フィリップも応対し二人とも始終大笑いする。歴史があり名門な家柄ならではの堅苦しい生き方があるフィリップの、そして周りの使用人の心がほぐれていく。
ドリスの複雑な家庭環境や、母との確執、非行にはしる弟が伏線となってドリスもフィリップの親子関係を見たり彼の助言もあり、家族に向き合い関係を再構築して行く。
まあ、そんな話なのだが、気持ちがいいと感じるシーンは、スピードの出る車椅子に乗り換え冷たい風を感じたり、海の際の日の光を受けた塩の匂いだったり、アースウィンド&ファイアーのリズムだったり、体感する場面だった。
頭でっかちにならず、日々の出来事を楽しみ、季節を感じることの素晴らしさを思い起こさせてくれる映画だった。
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