衆議院議員選挙が近い。
前回の郵政民営化で大勝した自民党の反動と1年毎に交代する首相に嫌気がさしてからか、今回は、民主党の政権交代が現実味を帯びて来た。そこで、本当に民主党に政権を任せていいのかの慧眼が市民に求められる訳である。
通勤途中に頂いた民主党のパンフを見て、今日(6/20)に「なぜ今政権交代か」の時事講演会に行って来た。目玉は渡部恒三氏の講演にあるのだが、到着が若干遅れ、その間 ”かつまた恒一郎” 氏の挨拶があった。実は、かつまた氏には前回の衆議院の選挙期間中にお会いしており、そのときの印象は、「中身はともかく喋れない人」とネガティブなものであった。第一印象で政治家には向いてないと思ってしまったのである。しかし、今日の話を聞くと今回の神奈川15区はどちらが勝つのか分からないと思ってしまった。
神奈川15区は河野家の地盤が盤石な土地柄である。その衆議院議員の河野太郎氏はごまめの歯ぎしりで政策をアピールしているが、今回の補正予算に盛り込まれた「国立マンガ喫茶が117億円を駈けて箱ものを作る理由が全く不明」と事業仕分け(文科省の公益法人の棚卸し)で指摘したこととその対応の矛盾を ”かつまた”氏は突いて来た。補正予算を通した後にイチャモン付けるのはマッチポンプだと指摘したのである。
改めて「ごまめの歯ぎしり 09年6月12日号−2」を読むと、なるほど、文科省は無駄遣いをしているのかもしれないと思うが、本質的な疑問である「なんで補正予算に反対しなかったのですか」という質問に「15兆円の景気対策の補正予算に、117億円がおかしいからと反対はできない。」の太郎氏の説明では、自民党は自浄作用が利かずとの民主党の指摘の方が説得性がある。
また、政権交代で何をするのかについては、”かつまた”氏は、それは「税金の使い方を直す」のだという。役人の役人による役人のための予算となっている現状を、高級官僚の天下りを例に批判している。天下り先が4500団体あり、その予算が年間12兆円で、天下り役人が25、000名いることが、参議院で過半数をとって初めて分かったそうである。それを福祉にまわすのが目的であり、そのことで代官に見立てられた役人から税金を市民に配分し直すのが目的である。この構図は、水戸黄門が悪代官を懲らしめる図に等しいと渡部恒三氏は指摘する。
今日の講演会を聞くと”かつまた”氏もどうしてなかなか説得的な話ができるではないか。事実上河野太郎氏と一騎打ちとなろうが神奈川15区は波乱が起こるのではないかとそんな予感がする講演会であった。
なお、備忘録のため以下を記録する。
今回の経済危機は、渡部氏は”世界恐慌”と表現した。また先の戦争で国民の犠牲は300万人という数字。先の構造改革と規制緩和は格差社会を生んだとの指摘。うまく、マスコミ受けする単語を選んでいると感じた。
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